髪結いの伊三次と深川芸者お文との恋から始まった傑作シリーズ最終巻!「これからもずっと、宇江佐さんの世界に浸っていきたい」(杏さんの解説より)金貸しのご隠居を殺した犯人として捕まったのは、伊三次そっくりの男だった。龍之進の妻、きいは伊三次と似ている男が罪を犯したとは思えず、他に真犯人がいるのではないかと同心である夫に進言する。(「空似」)三十歳となった龍之進は、自分の手先となる小物を持つように父に言われる。龍之進の頭に浮かんだのは、かつて自分が誘拐の下手人として追いながらも捕えられなかった男、次郎衛だった。(「竃河岸」)絵師修業をしている伊三次の息子、伊与太。幼馴染の茜の助けで、松前藩の家老で絵師としても知られる蠣崎に絵を褒められ、高価な絵の具をもらったが、その絵の具を弟弟子に盗まれてしまう。(「暇乞い」)珠玉の短篇九篇にエッセイ一篇と杏さんの解説を収録した豪華版!