あらすじ田宮流抜刀術の達人で三味線の名手矢内栄次郎は致命的な欠点を持つ。矢内家の血とも言うべきお節介病がそれである。それ故事件を自ら招いてしまう。一つは柳森神社の心中事件。もう一つは、稀代の名人と評判の新内語り春蝶が何者かに襲われ、命を狙われたのだ。二つの事件はどんな関係があるのか? 迷路の如く錯綜する真相……