プリンス、マイケル、マドンナと同時代を並走してきた現代随一のポップ・マエストロ、パディ・マクアルーンの音楽の魅力を解き明かす。永遠に古びぬ音楽。長年、パディを取材してきた著者が、それぞれの作品に丁寧な解説を試みた一冊。ニュー・ウェーヴ以降に登場した最高のソングライター。聖歌、ゴスペルから、映画音楽、ティン・パン・アレー、ブロードウェイ…アメリカ音楽史をたどるように、英国ニューカッスルから、普遍的なポピュラー・ミュージックを80年代以降の音楽文法で構築し、映画や小説を創作するように、アルバムをつくったソングライターがいた。「ヨルダン:ザ・カムバック」は文学作品のような素晴しい完成度で、ジェイムズ・ジョイスだって生きてればこの作品を誇りに思っただろう。(中略)彼らの音楽はロックのカテゴリーには収まらない。どちらかと言えば、レコード店よりも本屋さんで売られるべき作品だ。―― トーマス・ドルビーアーヴィン・バーリンの〈ホワイト・クリスマス〉のようなポピュラー・カルチャーを塗り替えるような曲が自分にも書けたらな、と思ったんだ。―― パディ・マクアルーン