寺島靖国が愛でる200枚を紹介。ライブの楽しみ方から恋愛指南(?)まで。ジャズの鑑賞法について語ったA面と、一生ものの名曲を求めて自ら買い漁ったCDを大公開するB面のレコード仕様!考えてみるとジャズってのは大変な音楽なのだ。最初はちょっとむずかしい。でも、少し手こずったりしてそのうち目の前の霧が開けるようにジャズが分かってくると気分に陥って世界で一番ジャズが分かるのは俺じゃないか、みたいな気分になってしまう。さらにどっぷり漬かると今度はジャズが特殊な音楽に見えてくる。最上級の音楽、さらには音楽を超えた音楽、てな具合に映ってくるのだ。(本文「ストレスを感じたら」より)ジャズ・ファンではない人たちからほめられるジャズを、私は「大人のジャズ」と呼んではばからない。ジャズ・ファンではない人が案外ジャズという音楽を見極めたりする。ジャズの渦中に毎日いると固定観念にはまって、意外に本質を見抜き損なうのである。何十年もジャズを聴いてきた人の推めるものなどロクなものはないから気を付け給え。あっ、いけない。こういう言い方は自分の首を絞めてしまうな。(本文「女性のジャズ」より)