隣の家の香田湊は、俺・有馬航平の幼馴染みだ。毎朝、ベランダの窓から入ってきて俺を起こしてくれるが、俺は湊を女性としては見ていないし、湊も俺のことを男性としては認識していないだろう。俺たちの関係は、あくまでも幼馴染みであり、それ以上でもそれ以下でもなかったのだが――。今朝、いつものように二人で駅へ歩いていた時の事だった。「えっちって……気持ちいいのかな?」かつて、湊とこのような話題になったことはない。さんざん返答に迷ったあげく……「そんなに気になるなら……俺としてみる?」なんて言ってみるも、恥ずかしさで顔が熱くなった。突っ込まれたり、無視されるかと心配していると、湊はこう言った。「航平となら……いいかな」――……それから今まで、俺はその言葉の真意を考えていた。単なる冗談だろうか。あるいは、俺をからかっているのだろうか。もやもやしつつ俺はベッドに入った。そして、眠りにつこうとしたその時、ベランダの窓が開く音がした。「しよう……えっち」※注意この書籍は、文中に現れる選択肢をタップごとにストーリーが変化する「アドベンチャーゲームブック」を含んでいます。選択肢をタップせずにページをめくると表示される警告文を無視して進みますと、現在、読んでいるストーリーの文脈とは、関係ない文章が表示されますので、ご注意下さい。