あらすじ「社会の役に立ちたいと思いました」2016年7月、19人の障害者を殺した植松聖。全16回の公判の果てに2020年3月、死刑が確定―――。彼の目から見えていたこの「世界」とは?残酷な「本音」が「建前」を打ち破り、「命は大切だ」というような「正論」を口にする者が「現実を何もわかっていない」と嘲笑される光景があちこちにある。そんなこの国に溢れる「生産性」「迷惑」「1人で死ね」という言葉。(中略)彼の悪意はどのように熟成されていったのだろう。「死刑になりたかった」のではない。「誰でもよかった」のでもない。彼は衆院議長への手紙で「日本国と世界平和のために」とまで書いている。――「はじめに」より