「――テオドラ様……ご子息は、重体です。極めて稀な奇病でしてな、身体中が蝕まれとりますわ」残酷な真実を告げる老医。目先には、我が息子――グランツの哀れな姿。「……何とか……ならないのか。こいつは私の、たったひとりの……」かつて世界を救った誉れも高き女戦士“テオドラ”が息子ひとり救えないなどとは滑稽な話だ。「薬は、あるにはあるんです。その薬であれば、ご子息の病は完治するでしょうが…… 調剤の為の素材を揃えるにあたって、莫大な費用が掛かります」費用……金か。金さえあれば何とかなるのか。そして――私は、闘技場へと導かれた。こうして恥辱と悪意と欲望に塗れた腐れ切った闘いが始まる。淫猥な言葉、嬲るような視線――それも、息子を想えば――。※注意この書籍は、文中に現れる選択肢をタップごとにストーリーが変化する「アドベンチャーゲームブック」を含んでいます。選択肢をタップせずにページをめくると表示される警告文を無視して進みますと、現在、読んでいるストーリーの文脈とは、関係ない文章が表示されますので、ご注意下さい。