『フットボールサミット』第31回目の議題は「松本山雅FC 雷鳥は頂を目指す」です。「雷鳥は頂を目指す」――クラブを象徴する、なじみ深い名フレーズです。 前記の言葉に違わぬ躍進の軌跡はもはや説明不要ではないでしょうか。それほどクラブは劇的に歩んでいます。 ほんの10年前まで、地域リーグで戦っていたクラブは2015年に日本最高峰J1の舞台に登りつめました。頂を目指して突き進んできた実績も然ることながら、拠点の「アルウィン」は毎節ファン・サポーターが埋め尽くすまでになっています。呼応するようにチームは果敢に、懸命にプレーするのです。クラブは街とフットボールが共生する地域となりました。街における先人と加わる幾多の仲間とともにつくられ、地域の誰もが誇れる歴史を生みだしました。 今季、クラブは創立50周年を迎えますが、かくも飛躍的に伸展したからこそ、一方で現在の姿は次なる頂を定める途中にあるのではないか、とも思えます。 いまピッチに立つチームは何を目指し、なによりクラブとしてさらに今後50年にむけて、いかなる頂への道を模索するのでしょうか。松本山雅FCにおける過去から続く現在と未来について、選手、監督、フロントスタッフ、サポーター、関係者の方々の話をもとに考えていきたいと思います。編集長・川口昌寿【目次】●Photo Gallery●田中隼磨 人生と、この街の未来を懸けて●反町康治“山雅スタイル”創造記●オビナ 王国のストライカーのルーツ●御意見番・飯田真輝が物申す! 松本山雅FCプレイヤーズファイル●岩上祐三 セットプレーの流儀●岩間雄大 黒衣のフットボール●GK村山智彦×MF岩沼俊介 3年目の山雅、初めてのJ1●喜山康平 プロ選手の証明●松本山雅FC戦術クロニクル●加藤善之取締役副社長・GM 創造すべき価値●神田文之代表取締役社長 松本山雅が目指すもの●アルウィンを作るサポーターのサポーター 松本山雅FCと歩むTEAM VAMOSの存在●上條友也取締役副社長・事業本部長 J1昇格がもたらす現場の変化●抗う挑戦者は生き残れるか●松本山雅FCを支えた選手たちの言葉●松本山雅FC 奮闘の軌跡 クラブ50周年によせて●山雅ール・コレクション 私たちが山雅を愛する理由●大月弘士代表取締役会長 夢想する松本の未来●連載 日本サッカーの「土」をつくる◎第11回鹿島に続くスカウトの遺風 椎本邦一(鹿島アントラーズ強化部スカウト担当部長)【執筆者】大枝令、藤江直人、鈴木康浩、多岐太宿、海江田哲朗、北條聡、元川悦子、宇都宮徹壱、芥川和久