本書は1970年代に若者たちの間でベストセラーとなった高野悦子著『二十歳の原点』三部作の『二十歳の原点序章』新装版です。二十歳と6か月で、その生涯を自ら閉じた著者が大学受験を間近に控えた高校3年生の冬(十七歳)から都での大学2年の冬(十九歳)までの青春時代を綴った日記です。若さゆえのさまざまな悩みを抱えながらも、精一杯に日々を生きるその姿は、時代を超えて、私たちの心に大切な何かを問いかけてきます。痛々しいまでの純粋さとは、普遍性を持った文学的なテーマであることを思い出させてくれるはずです。新装版は、当時の時代背景を知らない世代にも読みやすいように一部脚注を付しています。また、著者が実際に日記を綴っていた大学ノートが横書きであったことを考え、より“個人の日記”という雰囲気を感じていただくために横書きの文字組デザインに変更しています。帯の推薦文は「他人のBLOGを読む前に、この青春の記録を読むべきだ!――中村 航」。