何といっても
この「100億の男」では富沢琢矢と関わる多くの女性が華を添える。才媛で人間性の欠如の経緯もわかってもう一人の主役と云える久我山沙貴、若くして中国人を率いて人徳もある楊美娟、飽くまで市井の女なのがいい広瀬和美、見切ると冷淡になる情報屋のりさ子、屈折しきった社長令嬢の前島マリエ、正義にも燃えるルポライターの美村奈緒子、結局夫のような馬鹿な男が好きと悟る篠田冴子、研究では優秀でも他は苦手なレイチェル・ヘイズワード、悪魔さながらに酷薄な速見香織…
中でも下半身を武器とする叩き上げの事業部本部長、森下圭が好き。酸いも甘いも噛み分けて、思惑を見せることなく沙貴の兄、善彦の愛人になっている。
甚振られる原因を作った沙貴に窮地を脱するととどめを刺さなかったのはよかった。
この圭は最終回前に沙貴と善彦の父、天善を見做してマリエや融資を受けるのがままならないベンチャー企業の社長達と共に絶縁された沙貴の導きで琢矢の下に駆け付けた。
圭の活躍はこれからというところで連載は終わって残念。再登場しなかった冴子やレイチェルよりはましとする。