戦後派作家たちの後退とともに忘れられたかのように見えた〈戦後〉という主題は、しかし現代まで繋がっていた。雑誌「文藝」から浮かび上がるその激動なる軌跡を鮮やかに描き出す。その時、〈文学〉の現場では、何が起きていたのか!?1933年に改造社で創刊された「文藝」は、言論統制による改造社解散後の1944年、河出書房に引き継がれた。空襲で社屋が焼かれてもなお雑誌の刊行は続き、そして戦後へ――奔流にのまれながら数奇な運命を辿った出版社と、時代と格闘する作家・編集者たちの姿を峻烈に描く、「新たなる文学史」の誕生!