全国にいる税務署員と税理士に幅広く読まれる税務の専門紙「納税通信」(週刊)の人気連載を書籍化したもの。「年収の3倍程度は税金を取ってこい」とハッパを掛けられる税務調査官。本筋よりも国税組織の事情が優先される税務調査。機密情報を平気で持ち出す国税OB税理士……税務署の内情は想像以上にすさんでいます。ひどい場合には、税務調査官の個人的な暴走で、中小企業の経営者が必要以上に税金を取られたり、執拗な調査で精神的な苦痛をこうむったりするケースもあります。とはいえ、税務調査官も所詮は公務員です。ノルマに縛られて厳しい税金の徴収に走る反面、トラブルを極力嫌がり、目立つことをしたがらない習性があります。本書は、こうした独特のメンタリティを逆手にとって税務署員と対等に渡り合い、税務調査を上手に交わすための交渉術をお伝えします。たとえば、次のような対応をお勧めします。★調査官のフルネームを聞き出し、経歴を調べて傾向と対策を立てよう★調査の日程は税務署の言いなりになる必要はない★勝手にデスクを開けさせない。開けられた時点で断ろう★調査に社員を多数立ち会わせるのは、相手を利するだけ★調査はダラダラと長引かせたほうがいい★余計なことは一切しゃべらない2016年から導入された「マイナンバー制度」で税務調査がどう変わるのか、についても冒頭で著者の見解を披露しています。