ウイニングエッジ――それはマーケットに勝つための条件その条件は、オプション取引では3つに集約される。●優位性の高い戦略を知る●サイクルを重視する●取引技法を習得する「オプション」というと小難しいイメージがあるかもしれない。たしかにその仕組みは複雑に見える。しかし、それは株式や先物相場の“延長線上”でオプションを理解しようとしているからにすぎない。そして、そのとらえ方をするかぎり、株式投資で成功をつかめなかった投資家が、オプションで成功することは不可能である。オプション取引の第一人者を自負する著者は「理解のカギはボラティリティにある」と主張する。ボラティリティとは「市場参加者の感情」である。つまり、株式や先物の価格変動の方向性ではなく、価格変動の「規模」に対する「市場参加者の期待」が将来大きくなるか、小さくなるかに注目するわけだ。人間の感情の起伏を利用するのである。ボラティリティを自分のものにできれば、他の投資家よりもはるかに優位に立てる。例えば「サヤ取り」を利用することで、価格変動の方向性に関係なく、純粋にボラティリティから利益を得ることができる。そして相場のサイクルを知る。株式市場のサイクルから類推できる「ボラティリティのサイクル」を知っていれば、2008年のリーマンショックでさえチャンスに変えられるのだ。あとは、取引技法を極めることだ。ストラングルスワップや異常水準のボラティリティを売る戦略(コール売り)、先物オプションの歪みを取る戦略、株式オプションやLEAPSのレシオヘッジ、S&P500オプションのボラティリティを売る戦略など、本書では、豊富な取引例を挙げて、それらの技法を解説している。大切なのはそれらを頭で理解するだけではなく、実践を積み重ねて自分のモノにすることだ。本書ではそのために欠かせない「ポイント」と「哲学」に関しても詳しく言及されている。■著者紹介/増田丞美(ますだ・すけみ)現在、“ヘッジファンド”運用の傍ら、「“プロをめざす個人投資家のための”オプション倶楽部」(http://www.optionclub.net)や「“知識ゼロから株式・通貨・コモディティオプションから利益を得る方法を学ぶ”オプション塾」(http://masuda.enjyuku.tv)を主宰している。投資銀行(在ロンドン)、CTA(Commodity Trading Advisor、在ニューヨーク)等を経て、WBP,LLC(ウィッシュ&ブレインパートナーズ)代表執行役社長。