あらすじ昔々のものがたり。おのぼりさんの一行が、ニューヨークの金融街を見学させてもらっていた。一行がウォール街にほど近いバッテリーパークへやって来ると、ガイドのひとりが停泊中のすばらしいヨットの数々を指さして言った。「ごらんください。あそこに並ぶヨットは、みな銀行家やブローカーのものですよ」気のきかない田舎者がこう聞いた。「お客のヨットはどこに?」このジョークは、投資の世界ではリターンが不確実であるのに対して、コストが確実にあることを的確に象徴したものだ。そして、著者シュエッドが本書で明らかにした金融業界の本質は、今も昔も変わらない。