百年に一度、滅びの未来を回避するために行われる皇帝選。そこでは数多の候補が聖女と誓約し、皇帝の座を競う。初代聖女の末裔ながら、何の能力も持たないシルヴィア・ベルニア聖爵令嬢十三歳。彼女は家族のみならず領民からも虐げられ、今日もゴミを漁って生き延びていた。ところが……聖誕の鐘が鳴り、聖女が誕生する夜、その資格がないはずのシルヴィアの眼の奥に十字架の聖痕が発現した。密かに家を飛び出したシルヴィア。そして、運命と呼ぶべき出会いを果たすけれど……。これは聖女失格の烙印を押された少女が、最強の聖女を目指す物語。