冷酷な王女と救国の聖女――ふたりの出会いが、世界を、彼女たち自身を、運命の歯車へ巻き込んでいく…! エルヴィラは即位したものの、ふたつの大きな問題に頭を悩ませていた。ひとつはイリリアと急速に接近する教皇庁との不仲、もうひとつは長らく続いている南部の貴族との不仲。教皇庁との関係が深い南部の大貴族・ミュロワ家の当主レナートと結婚すれば双方を一度に解決できる、と臣下に詰め寄られるエルヴィラ。そんな中、南部で大規模な疫病の流行が起こり、防疫には教義に反する火葬が有効だとわかる。反発必至な案に渋るエルヴィラを押し切り、リクテルは南部へ向かうが…?