あらすじティグルヴルムド=ヴォルンがこの世に生を受けるより少し昔――ずんぐりとした初老の男性が、中背だが細く引き締まった体躯を持つ黒髪の青年にまで若かった頃の物語。酒、女、博打と放蕩三昧で知られていた青年貴族マスハス=ローダントは、その日、酒場で乱闘を繰り広げ牢に入れられていた。そんな彼の前に現れたのは、冷徹な官僚貴族ボードワン。彼が持ちかけてきた取り引きに乗って自由を得たマスハスは、美しくも朗らかなリリアーヌと出会い、自身どころか仲間の運命さえも賽の目に乗せ、彼女の身に迫る危険な陰謀に立ち向かうことになる。魔弾の王の前日譚、まさかの登場!