二藍を助けるため、そして兜坂国の存亡に関わる使命を帯び、綾芽と羅覇、佐智は密かに八杷島へと向かった。島の王太子である鹿青にかけられた心術を解かねばならないのだ。数多の困難に直面しながらも、何とか歩を進める一行……。同じ頃、都に残り傷を癒していた二藍は、十櫛より『的』のさだめの真実を知ることとなる。しかし、自身を追い詰める絶望を乗り越えた二藍は、それでもなお揺るぐことのない己の心に静かに対峙する。どんなに離れていても、共にある――「ふたり」を待ち受ける、あまりに過酷な未来。八杷島の月に知る、哀しき真実とは――? 古代和風幻想記、緊迫の第7巻。