あらすじもう二度と弾かない。レッスンの帰り、おれはケースごとヴァイオリンをゴミ箱に捨てるつもりだった。才能なんてないし武之内グループの跡取り息子として特別視されるのにもウンザリだった。そんな時、ヤツは現れた。桜野遼、12歳のくせに倍もありそうな高校生たちをしきってた。ヤツは闇の中で輝きすぎて眩しかった。1996春FUKUOKA――それはあまりにも唐突な出逢いだった。