火の島杯の惨劇から早三ヶ月――。各国の王族を救う道を選んだリヒトは“勇敢な王子”としての任務が増えた。が、兄宰相はリヒトが以前から望んでいる王籍離脱の返答を保留し、代わりに青い小さな指輪を差し出した。そんな折、シレジア国王逝去に伴う新王選定のための代理競技が行われることになり、リヒトは立会人を務めることになる。ニナも哨戒役に選ばれてリヒトとともに出立した。シレジア国の貧民街は、かつてリヒトが母親と暮らした場所。思い出と因縁が交錯するシレジア国の王冠がかかった協議会の直前、遺児側の代騎士団が宿舎の船ごと消えた! 王冠のかかった競技会が不戦勝になれば得をするのは王兄側。そこでリヒトは遺児側の代理を条件付で受けてニナとともに戦うことに……。