樹浬を伴って若宮神社に戻った有王は、桜と崇の足取りを追うために『蓮風会』の事務所に向かった。中はもぬけのからだったが、崇の友人の隆文から、二人が綾瀬祥娥を連れだしたことを知らされる。生身の祥娥はすでに死んでおり、現在の彼女は傀儡だったのだ。桜たちは、体が朽ちかけて一人では動けない祥娥の頼みを受け、桐沢敦美の居場所を教えることを条件に彼女を綾瀬の本拠地に連れていくことに。そこでは大老の広野と真実夜が、それぞれの思惑を秘めて待ちかまえていた……。※この電子書籍は集英社スーパーファンタジー文庫版を底本としております。