猫と人の融合体である半妖の真和は、「綾瀬」の中で役立たずとしてさげすまれていた。それゆえ、特異な存在でありながら実力を認められている呪術師・樹浬を尊敬していた。樹浬とともに大老の元におもむいた真和は、大老の本体の異常さに恐れをなす。いっぽう、強大な呪力と奇妙な肉体を持った樹浬は、大老と会話をかわすうちに失われた記憶を徐々に取り戻していく。大老の飽くなき野望のために存在する一族、「綾瀬」。有王たちは彼らに対してどのように立ち向かってゆくのか……? ※この電子書籍は集英社スーパーファンタジー文庫版を底本としております。