あらすじ興福寺中金堂再建までの25年の歩み。幼い頃、荒れ果ててしまった興福寺を見て哀しかったと語る著者・多川俊映(現 興福寺貫首)は、「自分の代で天平の頃の美しい伽藍を復元する!」と心に誓い、境内の整備に邁進してきた。四半世紀の時を経て、2018年10月についに落慶となった中金堂の再建は、その中核をなす大事業。本書は、その再建に費やした25年間を丁寧に追った一冊。まずとりかかったのは柱にする良質な太い木材を探すこと。現代の日本ではもはや見つけることができず、なんと! アフリカはカメルーンから輸入することを決断する。その壮大な発想力と実行力からは、この大事業にかける貫首の情熱と執念が伝わってくる。