果てなき欲望の海原を食って食らって突き進め! 偏屈な食いしん坊作家・千早茜による、「体にいい」の呪縛を解く異色の食エッセイ。シリーズ第3弾となる本作では、京都を離れ、初の東京ひとり暮らしへ……。“知らないこの街で、これから好きなものを探していける。食の海を渡るための、はっきりした好き嫌いの羅針盤も持ちあわせている。さあ、どこまで自由になれるだろう。”(本文より)――40年ずっと嫌厭してきたIHと仲良くなれるのか?(「コンロのT-1000」)。横浜中華街で肉汁過多の極北に出会った(「中華街の粉仕事」)。10代の息苦しさから救ってくれた雨とココアとビスケット(「雨と神様の物語」)。ほか、書き下ろし含む全30話。