あらすじ寛永寺の門前に鬼の首が落ちてきた! 平安の昔に退治され、平等院に納められたはずの酒天童子の首であった。徳川の治世をくつがえさんとする何者かが蘇らせようとしたのだろう――呟く天海僧正の脳裏には、すでに死んだはずの人物の名が浮かんでいた。十兵衛はその頃、将軍家光の弟で親友ともいうべき徳川忠長を訪ねるべく甲府にいた。道中知り合った安倍隠々斎という大食らい、大酒飲みの男が占うと、北東の方角は凶。そして忠長はまさに北東の方角・高崎に幽閉された、と知った。※この商品にはイラストが収録されていません。