「マンション」と呼ばれる鉄筋コンクリート造の集合住宅に日本人が本格的に住み始めて約60年。今や都市部では主流の住形態だ。だが、形あるものはいつかは朽ちる。郊外のニュータウンでは住人の高齢化と共にマンションの老朽化が大きな問題にもなっている。そもそも日本人はなぜマンションに住み始めたのか、分譲マンションの区分所有という権利形態に潜むリスク、高層階に住むことは健康にどう影響するか、など誰も気付かなかった「そもそも論」から、業界の儲けのカラクリ、さらには未来のマンションの風景まで、この道30年の住宅ジャーナリストが、住まう人たちを幸せに導くマンションのあり方を探る。【目次】プロローグ――マンションが日本人にもたらした「正と負」の側面/第一章 マンションは日本人を幸せに導いてきたか?/第二章 マンションの黎明期/第三章 管理組合と民主主義/第四章 儲けるためのマンション/第五章 繰り返される不動産バブル/第六章 マンション、この不完全な住まい/第七章 マンションは日本人の健康を損なうか?/第八章 マンションの未来を拓くために/エピローグ――二つのマンションの奇跡/おわりに