日本が焦土と化した昭和の激動期に、痛烈な批評精神で人々の心をつかんだ作家、坂口安吾。その名言は、かの「人間は生き、人間は堕ちる」だけではない。「戦争をいたしません、というのは全く世界一の憲法さ」「人間は、国家繁栄のためにギセイになってはならぬ」「家の制度があるために、人間は非常にバカになる」「夫婦は愛し合うと共に憎み合うのが当然である」等々、今もリアリティを失わず、むしろ、価値観が揺らぐこの時代だからこそ響く名フレーズの数々を、安吾を敬愛する同郷の芥川賞作家が編む。【目次】はじめに 稀有なる正直者・坂口安吾/I 生きるということ/II 戦争/III 政治/IV 文学・芸術/V 日本人/VI 家庭/VII 恋愛と性/おわりに 何かあったら海へ行け