あらすじ『一生に一度の、ぼくのただひとりの恋人だ』妃になって欲しいと、次郎君からはっきりと求婚された宮子。藤壺の中宮が倒れるという不慮の事態に後宮中が騒然とする中、宮子は考えていた。次郎君がどれほど真剣に自分を想ってくれているか。そして、重大な秘密を抱える自分の存在が、彼にとってどれほど危険かを。後宮から――彼の側から離れることが、自分にできる唯一の選択ではないかと。