せめて、自分らしく。 九十九(つくも)機関の走狗(いぬ)としての己を貫いたユウキだが、そのことにより神(セカイ)との関係は振り出しに戻ってしまった。 ふたたび始まる変わらぬ日々。セカイが身を削って世界を保ち、対価としてユウキがセカイに身を捧げるという、歪(いびつ)なかたち。それが続けられるならまだいいが、セカイの命は限界に近づき、いずれにせよ近いうちに世界は終わる。運命を変えられる可能性を持つのは、神として奇跡の力を揮(ふる)える神鳴沢(かなるざわ)セカイしかいない。 自分の役割と、愛する人(セカイ)を想う気持ちとの狭間で苦悩するユウキは、最終的に“新婚旅行”という奇妙な答えを導き出す。果たして彼の真意とは――?