尖閣問題、反日デモなど、中国の世論が日本に及ぼす影響がますます大きい。長い中国在住歴を持つ著者は、一般に言われるような知識人の民主化運動よりも、インターネットの普及によってごく普通の人々が「モノ申す権利」=「話語権」を獲得したことが、中国に大変化をもたらしつつあると喝破する。「モノ言う人々」を質・量ともに変貌させるネットの危うさ、メディア管理の限界に立つ体制側、しかし巨大な国で強固な体制なしには生きられない人々自身のジレンマ。西側の思い入れだけでは見えない中国を描く!【目次】はじめに――モノ言う人民の台頭/第一章 中国における“モノ言う権利”/第二章 為政者の「喉と舌」から大衆の代弁者へ/第三章 インターネットにあふれ出した大衆の声/第四章 変質する愛国・反日デモ/第五章 経済の自由化で開いてしまったパンドラの箱/おわりに