「汚れっちまった悲しみに……」をはじめ大正から昭和にかけて多くの詩を残し、早逝した天才詩人・中原中也。その現代にも通じる詩のセンス、ビジュアル、そしてロッカーのような生き様はカリスマ視もされ、今もファンが多い。そんな中原中也と、女優・長谷川泰子、そして中也の友人であり、のちの大文学者である小林秀雄。この3人が繰り広げる奇妙な三角関係を描く。中也の詩がいかに生まれてきたのか? 時系列にも合わせて、その歩みを描く、ノンフィクションにも近い「詩小説」。構想20年!長くノンフィクションを書き続けてきた著者会心のノベルス処女作。