あらすじ幸之介の義母・富江は心の底から喜んでいた。息子が文壇最高の賞「日本文芸大賞」の候補になったのだ。これでもう思い残すこともないとまで思っていた。息子を気遣ってか富江は忽然と姿を消してしまった。幸之介が賞の発表を待つのはご存知プリズンホテル。特別な日にもかかわらず、この夜も因縁つきの人びとが泊り込む。懲役五十二年の老博徒から、演劇母娘など、またしても起こる珍騒動。物語は笑って泣ける大団円へ。