祐加は結婚早々、夫・耕三を事故で亡くし、そのショックで歳を取らなくなった。それから30年後、娘の綾香もアラサー。祐加と同じ年齢になり、婚約者を家に連れてくるようになっていた。祐加や耕三とつるんでいた昔からの親友、次郎も60歳になったが相変わらず祐加の近くにいてなんやかんやと面倒を見てくれている。次郎は祐加のことがずっと好きだった。だが長いこと友達づきあいだった祐加にとって次郎をそんな目で見ることはできなかった。ある日、祐加は道端で酔っ払いの女性を介抱する。その女性・恵美は、お礼におまじないをしてあげると言い、祐加にキスをする。翌日、祐加は勤務する図書館の地下で見慣れないドアを発見する。恐る恐るドアを開け中に入っていく。長い暗渠を抜けてなにか見覚えのある街にたどり着く祐加。そこで彼女の目の前に現れた一人の男性。それは30年前、事故で亡くなった耕三だった…。※暗渠(あんきょ)・・・地下に設けられていて外からは見えない水溝