50年前の日本、国中に三波春夫の『東京五輪音頭』が流れるなか、東海地方のとある村には、大人たちに見守られながら思いのままに遊び、日々を活き活きと暮らす子供たちがいた。お正月の準備やどんど焼きでも、子供たちは大活躍する。正月飾り、もちつき、お供え…。どんど焼きは、男の子たちに準備が託される村の大事な伝統行事だ。傍にはいつもやんちゃな女の子たち。毎日毎日何かが起きて、一年が駆け足で過ぎてゆく。春、みんなが涙にくれる卒業式。満開の桜といっしょに写生大会もやってくる。かつて日本のどこにもあった子供たちの春…。こころのどこかに佇む日々。追憶の走馬灯を止めてみる。