世界中の誰もかれもが私のことを嫌っているみたいだ。クラスメイトからのいじめ、親との衝突、諦めた夢。満たされないまま大人になった「かつての十代」へ。『この地獄を生きるのだ』著者が綴る仄暗い青春の記憶。「学校はなんてつまらない場所なのだろう」。田舎の閉塞的な学校でいじめられている「私」に差した小さな光、それは絵を描くことだった。しかし、世界は「私」を受け入れてくれなかった。やりたいことがあるのに、できない。なりたいものがあるのに、なれない。未来を絶たれて絶望した「私」はやがて学校という社会の外へと飛び出していくが――。十代は遥か遠くにあるのに、今起きていることのように胸が痛い。そのたびに、私の十代はまだ終わっていないのだと自覚する。私の心と体は生きながら十代に埋葬されている。目を閉じれば私をあざ笑う同級生の姿が目に浮かぶ。全く幸せじゃない時代、あの時代に私は復讐がしたい。あの時代を乗り越えないと私はどうやっても大人になれない。(「はじめに」より)【目次】はじめに《第一部》一人ぼっちの世界学校という社会崩壊解離ジャニスの歌高校入学死にたい気持ち「ちゃんとできてるかな。役に立ってるかな」 なりたいものがあるのに学校の外で卒業《第二部》人との出会いクライ・ベイビー十代の私に百合の花をおわりに