「日本的反知性主義の系譜」を説き明かすアメリカのキリスト教が生み出した「反知性主義」は、ついにはトランプ大統領を誕生させ、その潮流の勢いを再確認させた。この言葉はポピュリズムに近い意味合いで使われることもあるが、本来は「知性」や「知的な権威」に異を唱え、誰しもが持っている「知能」を信頼する考え方をさす。キリスト教が多くに広まらなかった日本でそれらを体現したのは、創価学会などの新宗教であり、それはやがて政治や経営の中にも浸透していった。いま、日本社会に顕著な思想の実体を宗教学者・島田裕巳が徹底解剖する。