あらすじ時は、仁明天皇十二年、平安京を異常な蒸し暑さが支配した夏。京人の間で、羅城門に現れる”鬼女”の噂が広まった。十年前の似たような極暑にも姿を見せたというその妖魔を退治して、一躍、時の人となった隼人《はやと》司《し》が、人々の噂により再び呼び起こされた鬼女に取り憑かれ、ついには死に追いやられてしまう。鬼女の背後に、陰謀により悶死を遂げた男の怨念を見た東宮学士・小野篁《たかむら》は、自身に及ぶ危険も顧みず、悪の元凶に立ち向かった!