1960年(昭和35年)は、日米安保と九炭(九州炭鉱)争議で、大揺れに揺れた厳しい1年であった。「諸悪追放に敢然と立ち向かう」正義の人、柳勘一もこの二つの闘争には、積極的に関わるようになる。九炭争議では、労組側を支援し、共に激しく闘う。そのため、スト破りの鉄心会に命を狙われ、瀕死の重傷まで負ってしまう。白色テロルで生死の境をさまよう柳勘一、主人公が不在のまま、この作品も終わってしまうのか。ドキドキ、ハラハラの展開は、ますます本格化してきた様子。一読者としても、絶対に見逃すわけにはいかない日々が続くのであった。