食をめぐるエピソードと人間模様を通して、食べる楽しさ、生きる喜びについて考えた。健康的な食を提供する「あおもり食命人」の女性は、だしのうまみを活用することで塩分控えめの食事を提案。おいしい食事をつくるコツは「優しさ」だという。青森市の病院では、人生の最期まで人間らしい食生活を送れるように食事を工夫。末期がんの患者は口から食べるおいしさをかみしめた。津軽地方で、人の悩みに耳を傾けている佐藤初女さんのメッセージは「心のこもった手料理は心の扉を開ける」。食はいのちを育むことをあらためて教えてくれた。本書は第34回ファイザー医学記事賞大賞を受賞した連載企画「あすを生きる 『福寿あおもり』目指して」の一部を再編集したものです。