弱くていいのだ。ダメでいいのだ。ダメだから人に救われるし、救われたら人を救おうと思うのである。こうしてダメがダメを救っていく。世の中を回しているのはお金じゃなくて「ダメさ」「弱さ」であっていいんじゃないか。……寄稿 稲垣えみ子「できない」ままで生きてもいい!自分の欠点ではなく「世の中が押し付けてくるまともな生きかた」と戦う術。親の年金でキャバクラに通い、そのたび落ち込んで引きこもっていた増田さん。何をやっても自信が持てない、一応「健常」な施設スタッフ沼田君。毎夕、意味不明なワン切りを必ずしてくるひーちゃん。「足が腐った」とか「定期をトイレに流した」とか、まばゆいばかりの屁理屈で仕事をサボろうとするQさん……。障害福祉NPO法人「スウィング」に集う、障害を持つ人・持たない人たちの「できないこと」にこだわらないエピソードと、心の栓を抜く、脱力しきった詩の数々。誰かが決めた「まとも」を見つめ直し、ゆらしたりずらしたりすることで、それぞれの生きづらさを緩めるヒントとなる一冊。