「壁」の向こう側に、世界は広がっている。道を歩いているとき、バスに乗っているとき、買い物しているとき、勇気を出して、知らない人に話しかけてみよう。ちょっとした会話でも、驚きと喜びとつながりの感覚を呼び起こしてくれる。赤の他人だから、心を開いて話せることもある。そうした体験は、あなたを変え、日々の暮らしに風穴を開け、この「壁の時代」に政治的な変化をも生み出す。「接触仮説」は正しいか。「儀礼的無関心」をどう破るか。他者との出会いを日々研究し続ける著者が、路上の生き生きとした会話を引きながら、異質なものとの関わっていく「街中の知恵」を説く。「この本は、いや、だからさ、もうお前が率先して、色んな条件を踏み外せばいいじゃん、それで出会えよ、と告げてくる」……武田砂鉄(解説冊子より) Small books, big ideas. 未来のビジョンを語る。人気のTEDトークをもとにした「TEDブックス」シリーズ日本版、第7弾。「目に入るものが何であれ、それがどこから来たものであれ、ひとつ確かなことがある。周囲にいる人たちはみな一人ひとりの人間であって、分類項目の集合ではないということだ。だからこそ、ここには冒険がある。暮らしの中で毎日出会える冒険。この世界をどう分けるか、それをきちんと理解すること、知り合いになる人を自分の感覚で選ぶこと、ちょっと立ち止まって知らない人に挨拶してみること。そうした勇気ある行動が、公共の場での経験を変えてくれるかもしれない。そして、自分が変わることで、公共の場そのものも少しずつ変えていけるかもしれない(本書より)