社交界の悪女、セイナ・イゾルデ。次期王太子妃の立場を笠に着て横暴な振る舞いをしていた彼女は、王太子と懇意にしていた子爵令嬢を虐げたとして婚約破棄され、自ら命を絶ったという。だがその後、一通の告発文が届く。『セイナ・イゾルデは殺された』――と。調査を任じられた宰相の娘アリアが関係者に話を聞いて回ると、浮かび上がったのはセイナの意外な素顔だった。周囲の人々に利用され、搾取され、悪女の仮面をかぶって本当の自分を殺し続けていたセイナ。彼女はなぜ死ななければならなかったのか? そして告発文を送ったのは誰なのか? アリアが真相を探るうちに、事態は最悪の方向へ転がっていき……!? ※電子版は単行本をもとに編集しています。