父の命で没落しかけのバークレア伯爵に嫁いだローザ。彼女は、自分に見合う男になろうともがく夫エイドリアンを可愛らしく思うものの、その気持ちがなんなのか分からないでいた。そんな中、ひょんなことから国王に目を付けられたローザは、側室に召し上げられることに。父であり、冤罪で追放された元王太子のドルシア子爵は、それを利用して国王に近づき、正当な跡継ぎたるローザに王冠を贈るべく本格的に動き出す。一方エイドリアンは、いずれ来るローザとの別れを受け入れる心の準備をしながら、すれ違いこじれっぱなしの親子の仲をどうにか修復しようと奔走中。王座を取り戻した時、二人の離縁も成立し―― ※電子版は単行本をもとに編集しています。