猫との日常には、いつも新たな発見がある。太古より人間の側で暮らしてきた猫は、時代や飼われ方によって色々な表情を見せる。猫と犬の性質の差や猫好きと犬好きの違いについて思いを馳せる「猫と犬」(谷崎潤一郎)や、吉行家で飼っていた〈モテる〉雄猫と彼についての思い出を語る「モテる系統のネコ」(吉行淳之介)など、猫の生態と猫が繋ぐ人々の機微を味わうエッセイ集。【収録作品】谷崎潤一郎『猫と犬』『猫──マイペット』奥野信太郎『養猫記』木村荘八『我猫記』『私の猫達』寺田寅彦『舞踊』大佛次郎『お通夜の猫』『山寺の猫』『ここに人あり』豊島与志雄『猫性』白石冬美『桃代の空』吉行淳之介『モテる系統のネコ』長部日出雄『家なき猫たち』熊井明子『私の猫がいない日々』夏目漱石『猫の墓』中村眞一郎『私の動物記・猫』『猫の災難』柳田國男『猫の島』山崎朋子『わが家のライオン』『猫の引っ越し』黒田亮『猫にマタタビの誘惑』島津久基『銀の猫』