大リーガー×日本人通訳 蘇る友情、明かされる過去――1960年春、地理学者・京極勝は思いがけない人物の訪問を受けた。ディック・チャンドラー。1934年秋、ベーブ・ルースと共に全米野球チームの一員として来日した、元大リーガーだ。京極は当時、全米チームの通訳として帯同し、選手たちと日々を過ごし、ディックとの間にも友情が芽生えたのだった。戦争を挟んで途絶えていた絆が蘇るが、26年経つ今、なぜ彼は突然来日したのか。舞台は東京、横須賀、ボストン、そしてニューヨークへ……日本でプロ野球が誕生するきっかけとなった「ベーブ・ルース・オールスターズ」。ミステリー、そしてスポーツ小説の名手が、史実を題材に、日米史の゛暗部″に切り込んだ、傑作エンタメ・サスペンス!巻末の解説は、日米の野球の歴史に精通する池井優氏(慶應義塾大学名誉教授)が寄稿。野球ファンは、こちらも読み逃しなく!