一度読んだり見たりしたものは決して忘れないという能力を持つ平民の少女、カグミ。とはいえ、本人はそんなこと全く気にせず、家業の印刷工房を手伝い、平和に過ごしていた。しかしある日、彼女は王宮の書院で働くよう命じられる。王宮なんて嫌だけれど、もし家族が罰せられてはとカグミは泣く泣く一年間の奉公に出ることに……。そうして出仕してみれば、貴族に悪口を言われたり嫌がらせをされたり、もう散々! しかも、王宮内の毒殺事件に関わったことで、カグミは麗しい腹黒王子に目をつけられてしまう。彼は、カグミを保護する代わりに、この事件の解決に協力するよう要求してきて――!?