私まさか……痴漢の手に、感じてるの?ショーツとストッキングの布越しだというのに……自分の手での慰めよりも、遥かに大きな快感があったのだ。その事に、驚かずにはいられない。……イヤ……どうして? 怖いのに、気持ち悪いのに……イヤなの、に……?気持とは裏腹に、私の身体はひどく感じていた。こんな痴漢の手によって。仕事に関しては一切の妥協を許さない31歳のミクは、鬼主任と呼ばれているが、本人もそれなりにストレスを抱えていて発散出来ずにいた。そしてある日を境に通勤電車で痴漢に遭うようになる。日毎に過激さを増していく痴漢の正体も掴めず、誰にも相談できずに悩みながらも、身体が反応して欲求不満を抱えていく。そして一度自覚してしまった淫欲は確実に翻弄し、無意識の中に浸透し続けていた。