結婚して十年目の芽久が、DVDを再生するとテレビ画面いっぱいに夫の顔があった。女は座ったままカメラに向けてM字に足を開いている。「殺してやる殺してやる殺してやる」もし画面の中の女が目の前にいたら、武器を使わずに素手で女を殺してやる。絶対に。芽久は、女の正体を確かめるため、夫の会社の後輩の竜崎圭司に会いに行った。「セックスして。お願い。嫌だっていわないで」龍崎に抱かれる事で女としていられる、夫のこともきっと許せる。女すら許せるかもしれない。「こんなに淫乱だったなんて、知らなかった。早く挿れたい……っ」「その前に、舐めてあげる」わたしの掌に擦れた龍崎くんの凶器は、みるみる大きくなっていく。こんな凶暴なものがわたしの中に挿ってきたら……。想像するだけで、欲情は仰ぎたてられる。夫にすら進んでしたことのない行為をいま、わたしは嬉々としてやっているのだ。勝手に腰が動いた。早く欲しくてたまらなかった。ふいに、ガチャリと玄関先で、ドアノブが回される音が聞こえた……