艶のある黒髪、端正な横顔に、少し骨っぽい手の甲……わたしは、そんな、若くして院長を務めている明良先生に恋をしている。動物病院で働く新人獣医のわたしは、包み隠さず「好きだ」というオーラを全身から放っているのに、明良先生はちっとも相手にしてくれない。だから……診察台の上に鎖で縛りつけられて、明良先生に調教されている夢を見る。ある日、疲れて待合室のソファで眠ってしまっていると、近くに明良先生の気配が。またいつもの夢だろうと思い、わたしは積極的に迫ってしまった。「明良先生――、好き」夢の中だけはせめて、目いっぱい好き好き言わせて、甘えさせて欲しい。しかしそれは……夢?それとも、現実?。