あらすじ蓮如論争の陰で一億円が消えた……。愛媛県警の大鷹鬼平刑事の親友・岡本秀輝が殺された。呉市に近い安芸津町で住職をしており、ひと月前の同窓会で会ったばかりだった。多くの檀家に恵まれ、温厚な人柄で他人の恨みを買うことは考えられなかった。だが、葬儀で鬼平は意外な事実を知る。鐘楼の建立資金一億円を岡本が引き出し、流用していたというのだ。さらに宗派内部には蓮如上人を巡る論争の対立が……。鬼平は警察庁の広域捜査官・宮之原警部とともに、親友の死の真相に迫る。